I2C接続のLCDに文字列を表示する（WebIOPi 利用）

解説

「I2C LCD の仕様書」に従い、Python言語による、WebIOPiを利用した、 I2CLiquidCrystalクラス を作成しました。

作成したI2CLiquidCrystalクラスを利用してI2CLCDに文字列を表示します。

秋月電子にて販売されている「Raspberry Pi キャラクタ液晶ディスプレイモジュールキット」を使用しました。
「Raspberry Pi キャラクタ液晶ディスプレイモジュールキット」は、I2C接続小型キャラクタLCD(AQM0802A)をRaspberry Piで使用する為にバスリピーターIC(PCA9515)を実装したRaspberry Pi用変換モジュールです。

部品表

部品名	数量	商品名	参考価格
Raspberry Pi キャラクタ液晶ディスプレイモジュールキット	1	Raspberry Pi キャラクタ液晶ディスプレイモジュールキット	820円
Raspberry Pi 3	1	Raspberry Pi 3 Model B	6,300円

接続表

Raspberry Pi キャラクタ液晶 ディスプレイ モジュールキット		Raspberry Pi側
ピン番号	ピン名称	ピン名称
1	RST	GPIO17
2	GND	GND
3	LED	GPIO04
4	SCL	GPIO03
5	SDA	GPIO02
6	3V3	3V3

WebIOPiのインストール

Raspberry Pi にWebIOPiをインストールしてない場合は、まず、WebIOPiをインストールします。

WebIOPiのインストール

I2C通信の有効化

I2C通信を有効化していない場合は、SPI通信の有効化が必要です。

I2C通信の有効化

クラスファイルの作成

Python言語による、WebIOPiを利用した、 LiquidCrystalクラス を作成します。
「/home/pi/work/webiopi」フォルダに、「i2cliquidcrystal.py」というファイル名で、以下の内容のスクリプトファイルを作成します。

# # i2cliquidcrystal.py # # Class to control LCD using WebIOPi # # Written by Nobuki HIRAMINE # https://www.hiramine.com # Last modified : 2017/05/01 # import webiopi from webiopi.devices.i2c import I2C class I2CLiquidCrystal(I2C) : _numlines = 2 def __init__(self, i2caddr_lcd ): # Init I2C I2C.__init__(self, i2caddr_lcd) # Function Set # 2進数表現で、001L NF00 形式のデータを送信する。 # L : データ長。1 = 8ビット, 0 = 4ビット。AQM0802Aは8bitなので1。 # N : Line数。1 = 2行。0 = 1行。AQM0802Aは2行なので1。 # F : フォントタイプ。1 = 5x10ドット, 0 = 5x8ドット。AQM0802Aは5x8ドットなので0。 # 以上により、2進数表現で、0011 1000。16進数表現で、0x38のデータを送信する。 self._command( 0x38 ) # 拡張コマンドモードに移行（内部発振周波数、コントラスト等を設定するため） # Function Setで送ったデータの1ビット目を立てたデータを送る # 0x38を送った場合は、1足して、0x39を送る self._command( 0x39 ) # 内部発振周波数 # 2進数表現で、0001 [BS][F2][F1][F0] 形式のデータを送信する。 # データシートより、2進数表現で、0001 0100。16進数表現で、0x14のデータを送信する。 self._command( 0x14 ) # コントラスト（1/2） # 2進数表現で、0111 [C3][C2][C1][C0] 形式のデータを送信する。 # データシートより、「3Vの場合、C5=1,C4=0,C3=0,C2=0,C1=0,C0=0程度」 # 2進数表現で、0111 0000。16進数表現で、0x70のデータを送信する。 self._command( 0x70 ) # コントラスト（2/2） # 2進数表現で、0101 [Ion][Bon][C5][C4] 形式のデータを送信する。 # Ion : ICON display on/off。1 = on, 0 = off。Offとしたいので0。 # Bon : Booster circuit on/off。3.3Vの場合はBooster回路をOnとするので1。 # データシートより、「3Vの場合、C5=1,C4=0,C3=0,C2=0,C1=0,C0=0程度」 # 2進数表現で、0101 0110。16進数表現で、0x56のデータを送信する。 self._command( 0x56 ) # Follower control # 2進数表現で、0110 [Fon][Rab2][Rab1][Rab0] 形式のデータを送信する。 # データシートより、2進数表現で、0110 1100。16進数表現で、0x6Cのデータを送信する。 self._command( 0x6C ) # 500msec(need 200msec : for power stable) webiopi.sleep( 0.500 ) # 拡張コマンドモードの終了 # Function Setで送ったデータの1ビット目を倒したデータを送る self._command( 0x38 ) # Display ON/OFF Control # 2進数表現で、0000 1DCB 形式のデータを送信する。 # D : Display On/Off。1 = On, 0 = Off。Display On なので1。 # C : Cursor On/Off。1 = On, 0 = Off。Cursor Offとしたいので0。 # B : Blinking of cursor On/Off。1 = On, 0 = Off。Blinking Offとしたいので0。 # 以上により、2進数表現で、0000 1100。16進数表現で、0x0Cのデータを送信する。 self._command(0x0C); # Entry Mode Set # 2進数表現で、0000 01DS 形式のデータを送信する。 # D : Cursor move direction。1 = Increment, 0 = Decrement。カーソル移動方向は増加方向なので1。 # S : Shift the display。1 = Shiftする, 0 = Shiftしない。Shiftしないとしたいので0。 # 以上により、2進数表現で、0000 0110。16進数表現で、0x06のデータを送信する。 self._command(0x06); self.clear() # Clear display def clear( self ): self._command( 0x01 ) webiopi.sleep( 0.002 ) # 2msec(need 1.06msec) def setCursor( self, col, row ): row_offsets = [0x00, 0x40] if row >= self._numlines: row = self._numlines - 1 self._command( 0x80 | ( row_offsets[row] + col ) ) def print( self, value ): for i in range( len(value) ): self._send( ord(value[i]), True ) def _command( self, value ): self._send( value, False ) webiopi.sleep( 0.000100 ) # 100microsec(need 26.3microsec) def _send( self, value, mode ): if mode: # print mode I2C.writeRegister( self, 0x40, value ) else: # command mode I2C.writeRegister( self, 0x00, value )

スクリプトファイルの作成

LCDに文字列を表示するスクリプトファイルを作成します。
「/home/pi/work/webiopi」フォルダに、「i2clcd_helloworld.py」というファイル名で、以下の内容のスクリプトファイルを作成します。

import webiopi import sys,os sys.path.append(os.path.dirname(os.path.abspath(__file__))) from i2cliquidcrystal import I2CLiquidCrystal I2CADDR_LCD = 0x3E # AQM0802AのI2Cアドレスは0x3E PIN_BACKLIGHT = 4 # バックライト制御ピンはGPIO04 GPIO = webiopi.GPIO # Backlight GPIO.setFunction( PIN_BACKLIGHT, GPIO.OUT ) GPIO.digitalWrite( PIN_BACKLIGHT, True ) # BackLight ON #GPIO.digitalWrite( PIN_BACKLIGHT, False ) # BackLight OFF i2clcd = I2CLiquidCrystal( I2CADDR_LCD ) i2clcd.clear() i2clcd.setCursor( 0, 0 ) i2clcd.print( "Hello World!" ) counter = 1 while 1: i2clcd.setCursor( 0, 1 ) i2clcd.print( str(counter) ) counter += 1 webiopi.sleep(1.0)

WebIOPi サービスの設定の変更

WebIOPi のサービスを開始したときに、作成したスクリプトが実行されるように、WebIOPi サービスの設定を変更します。

WebIOPi サービスの設定は、「/etc/webiopi/config」ファイルに記述されています。

以下のコマンドを実行し、「/etc/webiopi/config」ファイルを開きます。

sudo nano /etc/webiopi/config

[SCRIPTS] セクションを探し、[SCRIPTS] セクションの「myscript =」に、作成したスクリプトファイルを指定します。

（・・・省略・・・） #------------------------------------------------------------------------# [SCRIPTS] # Load custom scripts syntax : # name = sourcefile # each sourcefile may have setup, loop and destroy functions and macros #myscript = /home/pi/webiopi/examples/scripts/macros/script.py myscript = /home/pi/work/webiopi/i2clcd_helloworld.py #------------------------------------------------------------------------# [HTTP] （・・・省略・・・）

編集し終えたら、
Ctrl + O
で上書き保存し、
Ctrl + X
で nano を終了します。

実行

WebIOPi のサービスを開始します。

sudo systemctl start webiopi

「Hello Wo」（「Hello World!」の先頭8文字）と経過秒数がLCDに表示されます。

lcd_helloworld.pyで、バックライトを有効にした場合


lcd_helloworld.pyで、バックライトを無効にした場合

WebIOPi のサービスを終了するには、以下のコマンドを実行します。

sudo systemctl stop webiopi

ダウンロード

サンプルスクリプトファイル